chapter.1

01.青空の下で

 なだらかな丘に心地よい風が吹き抜け、自身の白く透き通った髪がなびく。空を照らす暖かな陽光にその紅い瞳を閉じた。 鼻をくすぐる青草の香り。ほのかに土の香りも混ざる。 自分が生まれる前からここは何一つ変わってないように思える。この空間だけ時の…