05.白雪の朋友-3
――時刻は午後をまわり、庭にて。 内心ヒヤヒヤした食事を終え、ルイと遊ぶことになった。言っておくが俺が自分から提案したわけではない。それなのにレイジ、お前は何で睨んでくるんだ。綺麗な顔が台無しだぞ。いや、睨んでも綺麗なんだけど。「弟くんは…
chapter.2
04.白雪の朋友-2
――翌日。「あ」「……」 朝、正門でレイジと鉢合わせる。まぁ同じ学級なので登校時間が被ることは何ら不思議ではない。もしかすると今までも気がついていなかっただけで、そばにいたのかもしれないし。 レイジは俺の顔を見るなり、苦虫を噛み潰したよう…
chapter.2
03.白雪の朋友-1
レイジ・ステイ・カリア。あいつは俺にとってかけがえのない友人だった。 13の春。俺、エスタ・ヴィアンは中等部に入学した。ほどほどに友人もできて充実した日々を送っている中、同級生の間で密かに話題になっている奴がいた。 レイジ・ステイ・カリア…
chapter.2
02.ティジの一日
カーテンから射し込む朝日に目をしばたたく。やがて、のそりと起き上がり軽く伸びをして窓の外を見る。 小鳥の鳴き声が聞こえる。今日も見事な快晴だ。その事にホッと一息ついたティジは乱れた頭を整えた。 「おはよ、ルイ」「……はよ」 朝食…
chapter.2
01.夜更けの内談
――墓地を訪れたその日の夜。 ルイは自室のベッドで横になっていた。『ちゃんと生きて、大切な人を守る』 あの場所で決意したんだ。しっかりしないと。そう思い、こちらを案ずるクルベスに『もう大丈夫だから自分の部屋に戻る』と告げて今に至るわけだ。…
chapter.2
chapter.2 登場人物
◆レイジ・ステイ・カリア(レイジ)【年齢】白雪の朋友:13歳第一章:23歳【容姿】少し毛先にクセのある黒の髪に深い青の瞳。自身の容姿の良さを全く分かっていない。それどころかルイが世界で一番綺麗だし可愛いという始末。そのことにクルベスは常日頃…
chapter.2