02.木の芽時-2 「いやー、まさか本当に応じてくれるとは思わなかったよ」 学校内の食堂。その一角にあるテーブル席でシンはにこやかに言う。それに対してルイは眉間にシワを寄せ、不快感をあらわにした。「元はと言えばお前がしつこく誘ってきたんだろうが」「冷たいなぁ。… 2024-05-21chapter.5
01.木の芽時-1 四月。うららかな春の陽気に当てられて自然と気分も明るくなる季節。年度も変わり、ティジとルイも学年が一つ上がり二年生となった心機一転の春。 そんな雰囲気とは裏腹にルイは王宮の通路を怒り心頭で闊歩していた。「あいつ、今日も懲りずにしつこく誘っ… 2024-05-13chapter.5